大切な人と人とのつながり

古板 規子(宮崎大 04 年卒)

 京都民医連第二中央病院でわけも分からないまま研修を始めて、はや 1 ヶ月が過ぎてしまいました。さて、これを読んでいる皆さんは、医師研修義務化、マッチング制度導入と言う変革期において、将来どうしようなんて考えておられるのではないでしょうか。

 ここはやっぱり「初期研修で民医連を選んだのは?」なんてテーマで書いた方が良いのかもしれません。

 私が最初に民医連と関わりを持ったのは、高校生の一日医師体験でした。その後、幸いにも宮崎医科大学への入学が決まり、入学前にも実習をさせて頂き、入学後も帰省した時は往診など実習を重ねていきました。低学年での実習も快く受け入れて、学ぶ機会を与えて下さる民医連の存在は貴重でした。

 そのうち、奨学生になることを勧められるようになるわけですが、卒業後は基礎医学も含めて幅広い選択肢を残しておきたかったので、奨学生になってしまうと民医連に決めなきゃいけないようで返事は結構渋りました。けれど、すでに福岡民医連の奨学生だった友達の誘いもあり、とりあえず、という形で京都民医連の奨学生になりました。宮崎と京都での奨学生生活は多くの信頼できる同級生、先輩、医師を始め職員との出会いをもたらしてくれました。こんな人たちと一緒に働けるならそれもいいなと思うようになりました。また、実習や企画に参加する中で感じたのは、患者さんとの距離が近いということ、医師もコメディカルも患者さんもみんなで新しい医師(学生も)を育ててくれそうだということでした。もちろん、民医連でやっている地域医療やプライマリケアを重視した研修も魅力ではあったのですが、私にとっては奨学生の間に感じた人と人との関係を大切にしたいという気持ちがありました。

 そんなこんなで、京都民医連で研修する事はほぼ決まっていたのですが、なにぶん大学以外の病院は民医連しか知らないために本当にここでいいのだろうかと少し不安になりました。いざ民医連に入ろうとすると、大病院の専門性なんかが妙に素敵に見えるものです。なので、5 年生の終わる春休み、確信を求めて 600 床の某民間病院へ実習に行きました。言うなれば、婚約者がいるのに結婚に確信が持てず浮気をしてしまうような感覚です(?)。某病院はきれいで、症例も多いし、設備も整ってるしで申し分なかったのですが、医師の患者さんに対する素っ気無い態度とか、実習の学生に興味が無さそうな態度とか、医局内の派閥とか、民医連での実習では気にならなかった点が妙に気になりました。結局、病院内では人と人との関係は重要だなと再認識して浮気は終わりました。

 なんだか徒然なるままに書きましたが、研修先を決めるに当たってはいろいろ病院を見に行って自分の肌で感じてみるのが良いのではないでしょうか。学生のみなさんは夏休みなどには京都民医連第ニ中央病院にも遊びに来て下さい。そのころには私ももうちょっと余裕を持って仕事ができている‥はず。

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