公益社団法人 信和会 京都民医連第二中央病院

ウトロ平和祈念館を訪問して〜改めて平和について考える〜

今回、研修で宇治市にあるウトロ平和祈念館を訪問しました。祈念館があるウトロ地区には、第二次世界大戦中に飛行場をつくるため朝鮮から強制連行された人々の子孫が、今も生活を営んでおられます。そして、祈念館の横には自衛隊の駐屯地がありました。
研修では、副館長の方よりウトロ地区の歴史や迫害されてきた過去、現在の生活などについて教わりました。また、パネル展示を通して学びを深めることができました。
ウトロ地区は、もともと周辺の河川よりも低い土地であり、川の増水により浸水する地域でした。にもかかわらず、長年未整備のまま放置され、やっと土地のかさ増しと上下水道の整備がされたのは1986年になってからだったそうです。その整備も、深刻な人権問題として日本全国の人々や韓国政府から日本政府に働きかけがあったためでした。
しかし、戦争当時からの偏見は今も続いており、それが2021年に発生したウトロ地区の放火に繋がったと知り私は衝撃を受けました。現代の情報化社会においても、偏った考え方から危険な犯行に及ぶ人がいることに悲しさを覚えました。
私は今回の研修を通して、改めて平和について考えさせられました。悲しいことに、現在も世界ではロシアのウクライナ侵攻のように戦争が発生しています。そして、それを口実に日本においても軍事費の増額が叫ばれています。日本もまた戦争をする国になろうとしているのではないかと不安になりますが、研修での学びを大切にして自分ができる平和につながる活動を一つ一つ実践していきたいと思います。

京都民医連あすかい病院
看護師
西野 聡