京都民医連第二中央病院広報誌 2007年9月発行 vol. 9

回復期リハビリ病棟では在宅復帰をめざします

回復期リハビリ病棟
医長 中村紀子

病棟スタッフ

担当医

 回復期リハビリテーションとは、脳卒中や骨折後の方が安定期に入り、リハビリテーションを集中的に行うことにより、日常生活動作や歩行の改善などを目標として理学療法(足のリハビリ)・作業療法(手のリハビリ)・言語聴覚療法(言葉のリハビリ)を行う医療です。
 当院は、京都市内の急性期病院とも連携をとり、急性期治療を終えた方を受け入れています。今年からは特に制度も変わり、在宅復帰をお手伝いする病棟としての位置付けが強まりました。
 病棟では、「日常動作能力の向上」「寝たきり防止、筋力の向上」「早期の在宅復帰」などを目的に、医師、看護師、ケアワーカー(介護福祉士・ヘルパー)、リハビリテーションスタッフが、日常生活に密着したリハビリテーションを行います。マンツーマンのリハビリテーションだけでなく、朝の着替えから始まる病棟生活のすべてがリハビリテーションの一環と考え、病棟全体で取り組んでいます。
 当院の回復期リハビリテーション病棟に入院するには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 脳血管疾患・脊髄損傷などの発症又は手術後2ヶ月以内
  2. 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の骨折又は手術後2ヶ月以内
  3. 外科手術又は肺炎などの治療時の安静により生じた廃用症候群を有し手術後又は発症後2ヶ月以内
  4. 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節、膝関節の神経・筋・靭帯損傷後1ヵ月以内
  5. 安全にリハビリテーションを行え、意欲があること
  6. 自宅に退院すること

 病名によっては、法律で定められた入院の期限があって、もう少しリハビリ入院をしたいと思っていても、期間を超えて入院することはできません。実際に、早い方では30日で退院ということもあり、平均では2ヶ月余となっています。
 入院当初から、在宅復帰を見据えた家屋調査やケアマネージャーとの連携を開始します。入院中はリハビリカンファレンスを行い、回復の経過を評価しています。訪問リハビリ、訪問看護、通所リハビリなどの在宅サービスとも連携をとります。退院後の介護負担の軽減への対応を含めて、在宅生活支援を進めていきます。生活に関するお困り事についても、ご相談に応じています。
 私たち、スタッフ一同、最大限のお手伝いを致しますので、一緒により良い在宅復帰を実現しましょう。