京都民医連第二中央病院広報誌 2007年9月発行 vol. 9

創傷・オストミー・失禁(WOC)看護認定看護師の資格を取得しました

京都民医連
第二中央病院
南3階病棟
山際正樹

 私は昨年10月から今年の3月にかけて、創傷・オストミー・失禁(WOC)看護認定看護師の資格を取得するために、埼玉県立大学で研修を受けてきました。そして、この7月に実施された認定審査に無事合格することができました。

 皆さん「認定看護師」や「WOC看護」という言葉をあまりお聞きになったことがないのではないかと思いますので、これを良い機会としてご説明させていただきたいと思います。

 まず、認定看護師とは会員数58万人を有する日本看護協会が認定をおこなっている資格であり、その役割を「特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護実践を行う。」としています。特定の看護分野としては、救急や糖尿病など17分野が認められており、私はその中の1つ「WOC看護」の資格を取得しました。

 ではWOC看護についてご説明させていただきますと、WOCとは(1)外傷などによるきずや床ずれ(褥瘡)などの創傷(2)手術の結果造設された人工肛門(ストーマ)(3)加齢や病気から起こる尿失禁・便失禁の3つの領域のことであり、それらに対する看護がWOC看護です。

 WOC領域の看護について、もう少し詳しくお話しさせていただきますと、創傷の領域では寝たきりなどが原因となる床ずれに対し、その危険因子を評価し床ずれが発生しないように看護を行います。また、床ずれが発生してしまった場合は、その原因を分析し取り除くことで治癒するように看護します。

 人工肛門の領域では、人工肛門の正しい知識を獲得していただけるように手術前から説明を行うことや、手術後は適切な装具が決定できるよう看護を行います。

 失禁の領域では、失禁に伴う皮膚障害などのトラブルが起こらないように、失禁自体の改善を試みることやスキンケアを行いながら看護を行います。

 近年高齢社会の進行や医療技術の進歩に伴い、WOC領域については質の高い看護が求められてきています。今回WOC看護認定看護師の資格を取得できたことで、これらの領域でお困り方のお力に少しでもなれたらと思っております。もし、お困りの方がおられましたら、一度ご相談下さい。

※2007年7月から「WOC看護認定看護師」は「皮膚・排泄ケア認定看護師」にその名称が変更されています。