京都民医連第二中央病院広報誌 2007年4月発行 vol. 8

「蹲踞の春」Gorou Ishikawa/法然院は椿で有名でもあります。この蹲踞(つくばい)の豪華さを見てください。

日本の医師数は先進国で最も少ない

京都民医連第二中央病院
院長 門 祐輔

 最近マスコミで「医師不足」の報道がよくされるようになりました。特に北海道や東北は深刻です。ベッド数や外来患者数から決められる医師数を満たしていない病院がたくさんあります。京都府でも北部はたいへんな医師不足です。地元でお産ができない、小児科医にみてもらえない、というのも大変ですが、病院医療を支える内科医がいないため、ベッドを制限している病院もあります。
 実は日本は、先進国の中で人口当たり最も医師数が少ない国なのです。他の先進国が今後の高齢化に向けてさらに医師数を増やそうとしている中で、日本の医師数抑制政策は異様です。ここにも、医療にお金をかけない「低医療費政策」の陰があります。
 「でも左京区にはたくさんお医者さんがいるのと違いますか?」と言われます。確かに左京区は大学病院もあり、開業医の数も多いのですが、この地域ではむしろ医療機関どうしや介護施設との連携の方が課題かもしれません。
 もっとも本院も含めて、病院勤務医数は決して足りているとはいえません。人手不足で疲弊した医師が病院から立ち去り、現場の困難がさらにひどくなるという悪循環が起こっています。看護師不足も同様です。窓口負担増、国保料引き上げなども根本は「低医療費政策」です。制度や社会のあり方を変える運動を強めていきたいと思います。