京都民医連第二中央病院広報誌 2005年11月発行 vol. 4

目の前で人が倒れたら…!
~ACLSチーム~

ACLSとは
Advanced Cardiovascular Life Supportの略
日本語では二次救命処置と翻訳される

救命の連鎖を広げよう

 大切な家族や友人があなたの目の前で突然に倒れて反応がなくなったらみなさんはどうしますか? もし見ず知らずの人でも、その人があなたの目の前で倒れたらあなたはどうしますか? その人は心臓停止、呼吸停止をおこしているかもしれないのです。すぐに119番に電話して救急車を要請できるでしょうか。  しかし電話してから救急車が来てくれるまでの最初の数分間で実はその方の運命は大きく変わる可能性があります。第一発見者が救急車到着まで有効な心臓マッサージと人工呼吸を行い救急隊につなぎ、さらにその後の高度な治療が可能な病院に搬送するという一連の流れ(救命の連鎖)が何よりも重要です。

一般市民もAEDの使用が可能に!

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 こうした心肺蘇生術は永らく各国、各施設、各医療従事者個々人の経験などに基づく面がつよく、標準化されたものがありませんでしたが、2000年に標準化された蘇生法の国際ガイドラインが作成されました。そしてわが国においても2004年7月より法律の改正がなされ、一般の市民の方もAED(Auto mated External Defibrillator) という自動除細動器を使った心肺蘇生が出来るようになりました。心肺蘇生の中核をなすのがこのAEDによる早期の除細動といえます。

救命処置講習会を開催しました

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 我々京都民医連第二中央病院(以下第二中央病院)においても2004年春から心肺蘇生に関する院内講習会を開始しました。院内で必要とされる知識や技術のレベルアップをはかるとともに、医療関係者として院外でもAEDを使用した心肺蘇生ができることを目標として全職員を対象として行ないました。こうした講習会は一回きりで身につくものではなく、今後も繰り返し行なっていく必要があると思われます。またさらなるレベルアップを望む人を対象に日本救急医学会の認定するコース、アメリカ心臓協会の認定するコースなどがあります。本年9月4日に第二中央病院北館1階を会場として第1回のACLS京都と京都府医師会主催の日本救急医学会認定コースを開催することができました。 24人の受講生に対して32人のインストラクターが参加して行ないました。朝9時開始で17時30分までの一日みっちりのコースでしたが、受講生のほとんどが疲れをみせることなく、充実した笑顔で帰って行かれました。今後も年に2回を目標にコース開催を行ない、地域に多く救命の連鎖が広がるようにがんばっていきたいと思います。もし興味のある方がおられましたら医局四方または師長室杉林、事務長室真辺まで連絡をいただければうれしく思います。

2005年10月1日付着任
四方典裕医師写真
プロフィール
四方典裕医師
1990年
神戸大学教育学部(現発達科学部)卒業
1996年
高知医科大学(現高知大学医学部)卒業
●資格
小・中・高(理科)教員免許
日本内科学会認定内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本プライマリケア学会認定医・研修指導医
●家族
妻、息子1人
●趣味
大学時代は軽音楽部でしたが…。