京都民医連第二中央病院広報誌 2004年11月発行 vol. 1

大文字 創刊号

あらためて原点に立った活動を重視します
―「不安」「不信」の時代から「安心」「信頼」への転換を求めて―

京都民医連第二中央病院
院長 門 祐輔

 先が見えない不安な時代です。「雇用不安」「将来不安」「老後の不安」、実感できない「経済回復」、国と自治体の700兆円をこえる借金、年金・介護・医療制度・社会保障制度の行方、少子高齢化、などなど。 一方で不信の時代でもあります。新聞、テレビで、議員・公務員の不祥事や医療事故の話題が出ない日はありません。本来公選され、専門資格を持ち、信頼されるはずの職業が不信の目で見られているのは残念です。

 「不安」「不信」を「安心」「信頼」へ転換するために、私たちはまず原点に立った活動を重視します。

 本院の理念のキーワードは「人権を尊重し安全で質の高いサービスの提供」「地域に開かれた活動」「学習・成長」です。だれもがお金のあるなしに関わらずいい医療が受けられるように差額ベッド代はいただいていません。透明性の確保のため、情報公開をより一層進めます。この広報の発行もその一環です。今後ともインターネット上のホームページと一緒に充実させていきたいと考えています。

 社会保障の対GDP(国内総生産)比率は、スウェーデン32.9%、フランス28.6%、ドイツ22.7%に対して日本は14・7%です。これでは安心できる社会保障の充実は無理です。

 医師会・保険医協会などの医療団体や、地域住民・地域諸団体の皆様と力を合わせて、安心の医療の土台作りにも全力を注ぎます。

 今後ともよろしくお願いいたします。