倫理委員会規定

第1条 委員会の目的
 京都民医連あすかい病院に所属する医師等が行う人を対象とする医学系研究及び医療行為等に関し、世界医師会によるヘルシンキ宣言・リスボン宣言及び国が定める倫理審査に係る各種指針に基づき、倫理的、社会的及び医学的観点からの審査を行うことにより、患者等の人権及び生命の擁護を図ることを目的として、京都民医連あすかい病院倫理審査委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

第2条 委員会の任務
 委員会は、京都民医連あすかい病院より諮問された議題について議論を行い、一定の見解をまとめて、研究については研究責任者に、医療行為等については、病院長に答申することをその任務とする。

第3条 委員会の構成

  1. 当委員会は、委員長と複数名の委員、事務局より構成される。
  2. 委員は、院長が委嘱する。
  3. 委員長は外部委員が望ましいが、外部よりの着任が得られない場合、病院長がその職に当たる。
  4. 委員は、複数の外部委員と複数の病院職員がつとめる。委員の構成は以下の3要件を満たすものとする。

    (1)医学・医療の専門家等、自然科学の有識者を含むこと。

    (2)ジェンダーに偏りがない委員で構成されること。

    (3)5名以上の委員で構成されること。

    外部委員については次のとおりとする。

    (1)市民の立場を代表できる者

    (2)共同組織に所属する者

    (3)法律を専門とする者

    (4)医療に関する倫理を専門とする者

  5. 指名された委員以外に、委員長が必要と判断した時には有識者の参加を要請し、その者の意見を聞く ことができる。
  6. 委員会は専門的な立場からの調査、検討を委嘱するために小委員会を置くことができる。
  7. 委員には、委員会で検討された事例のプライバシーの保護に努める義務があり、委員会外で当該事例 について話したり公表することは、これを禁止する。
  8. オブザーバー参加は委員長が認めた場合は可とする。その際は守秘義務に関わる誓約は書面にてとりかわすこととする。

第4条 委員の任期
 任期は2年とし、再任は妨げられない。ただし、欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

第5条 委員会の開催
委員長は、次の各号に掲げる場合に委員会を開催する。

  1. 委員会は通常3ヶ月に1回程度開催されるものとする。ただし委員長が招集した場合には、臨時に委員会が開催されることがある。委員長が議長を務める。委員会は外部委員を含む3分の2以上が出席しなければ開くことができない。
  2. 委員長が必要と認めるときは、関係者の出席を求め意見を徴することができる。ただし、委員以外の者は、審査の判定に加わることはできない。
  3. 急を要し、委員会で審査する時間のない事案については、委員長の同意又は委員長が指名する委員全員の同意を得て実施することができる。ただし、この場合は事後に委員会に報告するものとする。
  4. 委員会は、審査を行った委員、議事概要、判定の理由等を記載した議事録を作成し、保管するものとする。
  5. 保管期間は10年とする。ただし、侵襲を伴う研究であって介入を行うものについては、当該研究の終了について報告された日から5年を経過するまでは破棄できない。
  6. 委員会は、個人の人権の擁護、研究の独創性又は知的財産権の保護等のため非公開とすることが必要な場合を除き、議事の内容を公表するものとする。

第6条 本委員会において議論されるべき議題

  1. 臨床研究、治験の倫理的妥当性の検証
  2. 病院医療に関わる様々な問題についての倫理的検討 職員、病院の利用者、委員から病院長宛に提出した倫理的問題についての議論を行い、必要な提言を行う。また必要に応じて、医療従事者の行動のガイドライン策定も行う。
  3. 倫理委員長が必要と認めた議題(答申後の評価を含む)
  4. その他、病院長が委員会に諮問する議題

第7条 委員会の第6条の1に関わる審議結果

  1. 答申を求める研究責任者は書類に必要事項を記入し、委員長に研究計画書を添えて提出しなければならない。
  2. 委員会は審議の上、全会一致の「勧告」を申請者に提示することを目指す。しかし全会一致に達しない場合、議決は出席者の多数決にて行い、少数意見も付記して申請者に「勧告」を行う。
  3. 委員長は審議終了後、申請者に速やかに審議内容を伝える。
  4. 研究責任者は審議内容を院長に提出し、当該研究の実施について、許可を受けなければならない。

第8条 迅速審査
 前条の規定に拘わらず、次の事項に掲げる審査については、委員長が指名する委員による迅速審査に付すことができ、かつ、委員長が書類による審査に適していると判断する場合は、書類により審査することができる。この場合、審査を行った委員全員の同意を得なければならない。

  1. 研究計画の軽微な変更に関する審査。
  2. 侵襲を伴わない研究であって介入を行わないものに関する審査。
  3. 軽微な侵襲を伴う研究であって介入を行わないものに関する審査。
  4. 症例報告を行う際に、発表先の規定によって必要となった際の審査。
  5. 前4号に規定するもののほか、委員長が軽微な事項と認める事項に関する審査。
    本条に基づく審査の結果については、審査を行った委員以外のすべての委員に報告するものとする。
    なお、1に該当する事項のうち、研究実施期間の延長、共同研究者の追加・修正に関わる内容については、報告事項として取り扱うものとする。

第9条 有害事象等報告

  1. 委員会の承認を受けて実施される臨床研究の研究責任者は、研究に関連する重篤な有害事象及び不具合等の発生を知ったときは、直ちにその旨を院長に報告しなければならない。
  2. 院長は、前項の報告を受けた場合には、速やかに必要な対応を行うとともに、当該有害事象及び不具合等について倫理委員会に報告し、その意見を聴き必要な措置を講じなければならない。
  3. 当該研究を共同して行っている場合には、院長は当該有害事象及び不具合等について、共同研究機関 への周知を行わなければならない。
  4. 院長は、侵襲(軽微な侵襲を除く)を伴う研究であって介入を行う研究において、その研究との直接の因果関係が否定できない、予測できない重篤な有害事象及び不具合等の報告を受けた場合には、その対応の状況・結果を公表し、厚生労働大臣に逐次報告しなければならない。
  5. 院長は、現在実施している又は過去に実施された研究について、厚生労働省の定める「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」への重大な不適応を知った場合には、速やかに倫理委員会の 意見を聴き、必要な措置を講じたうえで、その対応の状況・結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。

第10条 審査結果について異議がある場合

  1. 申請者は審査結果に異議がある時は再審査を求めることが出来る。

第11条 情報公開
 議事録は、個人を特定する情報を一切省くなど検討事例のプライバシーに十分な配慮を行った上で、原則として議論内容の要約を公開する。但し、審議内容によっては公開の可否を委員長が判断する。

第12条 事務局
 委員会に事務局を置く。病院事務長、副事務長又は病院事務次長を事務局長とする。

第13条 改訂について
 本規定は、委員の3分の2以上の賛成により改訂することができる。

施行
本規定は2004年7月1日より施行する

改訂
2013年11月21日
2016年6月23日
2019年4月1日
2021年12月9日

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