特集1 恥ずかしくない!!泌尿器科

恥ずかしくない!!泌尿器科

過活動膀胱

過活動膀胱は「急にトイレに行きたくなる」「日中・夜間に何度もトイレに行く」「尿が漏れる」などの症状を持つ状態です。大きな病気ではなく、恥ずかしさなどの気後れから受診されない方が多いのが現状ですが、外出を躊躇するなど生活の質を下げていく原因となります。現在日本では、10人に1人が症状を持つとされ、年齢とともに増加し、70歳台では5人に1人が当てはまります(下図)。

現在内服治療が一般的に行われていますが、内服薬で治らない方、副作用のために内服したくない方も数多くおられます。当院では薬を使わない認知行動療法を京都大学泌尿器科と連携して治療・研究しています。

認知行動療法とは、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種です。認知は、ものの受け取り方や考え方という意味です。ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できない心の状態に追い込まれていきますが、認知行動療法では、そうした考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。

京都大学泌尿器科では、過活動膀胱に対して、自分で解決方法を学び実践する、「認知行動療法」の効果を研究しています。具体的には1回30分間の外来診療で、話し合いの中で一緒に目標・課題を設定し、実践していく治療プログラムです。合計4回、4週間のプログラムになっています。

認知行動療法とあわせてご興味のある方は、研究にもご協力ください。

過活動膀胱の有病割合

臨床研究

研究は、ランダム化比較試験という方法で行っております。研究参加ご希望の方は研究施設で受診していただき、条件に当てはまるかを確認します。当てはまった方は、「先に認知行動療法を行う」か、「後に認知行動療法を行う」か、ランダムに決まります。認知行動療法の効果は、問診票で確認します。研究の期間は3ヶ月間です。

当院では臨床研究は金曜日午前中(4週目除く)に行っております。その他の曜日をご希望の方は研究窓口までお問い合わせください

ランダム化 比較試験

臨床研究では治療群(治療を行う群)と対照群(治療をせず観察のみの群)の2つに分けて比較しますが、2つの群に分ける際に無作為に分けている研究を指します。治療効果の検討方法としては現在有効性がある方法と認められています。

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