京都民医連第二中央病院広報誌 2011年7月発行 vol. 16

治療と生活をつなぐ
介護老人保健施設茶山のさと OPEN

「茶山のさと」事務長予定者 坪田美也子

茶山のさと外観図

 いよいよ11月3日に介護老人保し健施設(通称老健)茶山のさとが田中上大久保町にオープンします。工事はほぼ予定通り進み、随分建物らしく?なってきました。今回予定している介護サービスは、施設入所70名(ショートステイ含む)、通所リハビリ定員35人です。入所申込みの受付は9月中旬頃から開始する予定です。

老健って?

 「介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指すために、医師による医学的管理の下、看護・介護といったケア、リハビリテーション、栄養管理、食事、入浴などの日常サービスを提供する施設(全国老人保健施設協会)」です。一言で言えば、病院(治療の場)と在宅(生活の場)の橋渡し役です。また、利用できるのは、要介護認定を受けた病状が安定し入院治療の必要がない方です。
  「どんな老健にしたいか?」をテーマに、茶山のさとで働く職員予定者たちで話し合った先日の会議では、たくさんのキーワードが出されました。「施設というより生活者の家という環境にしたい」「入所される個人の生活に寄り添って介護したい」「親を入所させてもいいなと思う場所」「地域に溶け込んだ施設」等など。これらを言葉で終わらせず現実のものにしていくために、職員一同取り組みを進めていきます。一方で制度上の制約も多く存在します。

どんな制約が

 第一に、高い利用料による制約です。老健に1カ月入所するのには課税世帯で最低10万円前後を要します。もちろん所得に応じて減免制度などが利用できますが、食事代、部屋代等が介護保険給付外でもあり、利用者・家族に重たくのしかかってきます。第二に、提供できる医療上の制約です。老健入所者には医療保険からの給付がかなり限定されます。そのため入所中に使用できる薬や検査、病院の受診などに限度があります。病状によっては老健に入所できないといった状況が発生します。第三に、「柊の住処」を望むど期待に十分に応えられないという制約です。「一生入所できる老健」は他面では「何年も入所できない老健」ともなるからです。こうした制約は、そもそも介護保険制度に欠陥があるからです。しかし、先日国会で成立した介護保険改正法はその欠陥を放置したままです。お金の心配をすることなく、必要な時に必要な介護が受けられる制度へと改善を求めていきましょう。また、第二中央病院は「茶山のさと」に70床の病床を移行するため、172床の病院となります。全体の病床数は減りますが、6床部屋が4床部屋になるところもあり、療養環境が少し改善できます。古くなった商館のリニューアルを展望しつつへ医療・介護・福祉の分野と連携を強めながらへ地域から求められる役割を果たしていきたいと思います。


茶山のさと地図

茶山のさと概要

特徴

 医療保険と区別し、主に介護サービスを提供する介護保険施設は、「介護老人保健施設(老健)」、「介護老人福祉施設(特養)、「介護療養型医療施設(療養病床)」と2008年5月から制度化され、今回私たちが建設する「介護療養型老人保健施設」があります。「療養型(転換型・介護療養型)老健」とも呼ばれ、看護師を24時間配置し医療施設と在宅をつなぐ中間施設の役割を果たすことが特徴です。

4F
会議室・ボランティア
屋上

3F
療養室
浴室
食堂・談話室

2F
療養室
浴室
食堂・談話室

1F
リハビリテーション室
適所リハビリ・浴室
診療室