健康豆知識
介護者へのちょっとアドバイス
乾燥が口唇や口の中の粘膜を割れやすくしています。
小まめなケアとケア中の注意が必要です。
この状態では、食べたくても、話したくても、きっと辛いと思います。
乾燥は、カラカラな状態だけをいうのではありません。
ネバネバした唾液が多かったり、白っぽい唾液や泡状の唾液がみられるのも乾燥のサインです。お口の中が乾燥している場合、喉も乾燥していると考えられます。その場合、声も出しにくいと思います。
お口の中には、誰にでも細菌がいますが、お口の乾燥によって細菌の繁殖や感染が起こりやすくなります。口の中に痰が付着し、更に不潔にしてしまっている状態では、全身状態にも悪い影響を与えてしまいます。
唾液が溜まっていても量的に少なく乾燥傾向である方もいます。 この場合は唾液の飲み込む回数が少ないから溜まっているだけなのかもしれません。舌や上顎の辺りが特に乾燥しているのは、舌や顎の運動が少ないことも考えられます。舌や顎の運動の少ない方は、舌苔も分厚くなりやすくなります。舌苔が分厚くなると味が分りにくくなり、お食事が美味しく感じなくなります。舌苔のケアも重要です。
口唇は、 リップやオリーブオイルなどの活用
お口の中は、 保湿剤などの活用
口唇の乾燥予防には、リップの活用もありますが、カサブタがありリップが塗れないことや塗るときにかえって口唇が割れてしまうこともあります。そんな時は、オリーブオイルなどで口唇の乾燥を防ぐ方法もあります。
また、お口の中を潤す商品(保湿剤)は色々とあります。それらを活用するのも良いと思います。(使用方法については、各商品の取り扱い説明書にしたがってご利用下さい。)
すぐに乾燥してしまう場合、例えば寝ている間の乾燥などを防ぐには、長時間保湿可能なもの(ジェル状のタイプなど)が良いと思われます。
もし、ご自分でお口の中に噴霧出来るようであれば、噴霧式スプレータイプの保湿剤の利用や噴霧式スプレーの容器を買ってきて(100円ショップでも購入できます)、お茶などを入れておくのも良いでしょう。
乾燥のケアについての注意点
- お口のケア(口腔ケア)では水分を使用しますが、ムセたりすることがあれば、それは水分を誤嚥している(気管にはいっている)と考えられます。ケア中の誤嚥がないように余分な水分を充分に拭い取って行いましょう。
- 小まめに、お口のケアを実施し、出来るだけ乾燥状態にならないようにする必要がありますが、口唇が乾燥した状態では、口腔ケア中にお口を開けることで、ひび割れて出血することも少なくありません。お口のケアは、先ず口唇を充分に潤してからお口の中へ進めていきましょう。
- 出血した後のカサブタ(血餅)は、一度に取ろうとすると粘膜も一緒に剥がれてしまい再び出血する恐れがあります。一枚ずつカサブタの層を拭い取るつもりで焦らず口腔ケアを繰り返して徐々にきれいにしていきましょう。
ご紹介コーナー
米飯を食べるとき
- 噛みにくい
- お口にたまる
- 飲み込みにくい
- むせる
などで食べにくい方やミキサー食を召し上がっておられる方に、米粉粥のご紹介です。
普通のお粥をミキサー状にすると、でんぷん質で粘りが出てしまいますが、それに比べて粘りがないのが特徴です。ただ、食事中に徐々に緩くなるようであれば、器に盛る量を小分けにしてみて下さい。
〈材料3食分〉
|上新粉…120g|砂糖…12g(お好みで調節してください)|水…900ml|
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〈作り方〉
- 鍋に水を入れる。
- 砂糖を加える。
- 木ベラで溶かす。
- 上新粉を加える。
- 木ベラでよく溶かす。
- 火にかけ(弱火から中火の間)、木ベラで均一になるように混ぜる。
- 鍋のまわりがふつふつと沸騰してきたら焦げないようさらによく混ぜる。
- もったりとして粉臭さが無くなる。
- 火を止める。
- 器に盛る。
- お好みでのりの佃煮やねりうめを混ぜる。こしあんやくろみつをかけてもおいしい。