京都民医連第二中央病院広報誌 2009年4月発行 vol. 12

「チューリップとカスミソウ」 Gorou Ishikawa

キューバへ行ってきました

京都民医連第二中央病院
院長 門 祐輔

 キューバへ行ってきました

 と言うと、「え! 何で?」という言葉が返ってくる。詳細は4~5面に書いているが、貧しい第三世界の小国ながら、医療、教育、有機農業で世界的に注目されている国だからだ。

 世界同時不況、日本の政治の貧困、格差社会と暗い話題が目立つ。唯一アメリカでのオバマ政権の誕生が明るい材料に見えるが、日本に対しては日米協定の調印を通じて、沖縄の基地問題で3兆円を超えるとみられる負担を押しつけてきた。そろそろアメリカとも対等の関係を築きたいものだ。

 一方のキューバは、豊富な医療資源を基礎にした無償の大規模な医療援助などで中南米諸国の支持をとりつけてきた。従来アメリカはこれらの国を植民地のように支配してきたわけだが、こうした国々がアメリカから距離を置く姿勢を明確にしてきている。経済力だけが力ではないことが分かる。

 キューバの医療の基礎は、キューバ憲法第50条「すべての人は健康を達成し守る権利を有する。国家はこの権利を保障する。…」にある。

 日本国憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

 キューバにならい、憲法を基礎にした医療の充 実した日本をつくりたいものだ。