京都民医連第二中央病院広報誌 2006年3月発行 vol. 5

地域で健康を守っていく時代

京都民医連第二中央病院
院長 門 祐輔

 医療は激動の時代を迎えています。遺伝子治療、移植医療などの「高度医療」が注目される一方で、最も地域のみなさんが求めているのは「安全で安心できる」「普通の医療」ではないでしょうか。「名医」の情報は氾濫していますが、本当の名医って何でしょうか。

 幸い本院の位置する左京区には大学病院があり、開業医の先生方は熱心で、名医の条件にあてはまる方がたくさんおられます。しかし名医が24時間どんな要求にもこたえられるわけではありません。地域の医療機関どうしが連携し、地域全体で、安全で安心できる医療を提供することが現代の「名医」と言えるのではないかと思います。

 この左京区の中で本院は、総合的な要求にこたえられるように種々の診療科をそろえ、救急の対応を行い、入院では特に高齢者にやさしい、リハビリテーションを重視した病院として、地域への貢献をしています。 一人の名医よりも、地域全体で健康を守っていく時代。今回は本院の「開放型登録医」として連携を行っている開業医の先生方の特集です。身近な先生への紹介希望があればお申し出下さい。

 医療制度や介護保険制度をはじめ社会保障制度が大きく変えられようとする時代でもあります。「健康で文化的な生活の保障」を謳った憲法25条、「戦争放棄、平和主義」を謳った憲法9条を基礎にした、一人一人が大切にされる世の中でこそ、本当に安心できる医療が受けられます。本院は地域の方々といっしょにそんな時代がくるようにつとめたいと思います。